【lecture】サービスデザインの教室:第1回「サービスデザインとは 何か?」
第1回「サービスデザインとは 何か?」
サービスデザインのレクチャー第1回目。
なぜ、今の時代にサービスデザインが必要なのか、その背景と実情について言及します。
また、実際にデザインするにあたってのポイントや注意点に関しても、
現場のデザイナーならではの視点で赤裸々にお話しします。
すぐに役立つ「課題発見のデザインプロセス」についてもご紹介。
日時:
2014年11月12日(水) 19:00-21:00
会場:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5階
受講料:
無料
定員:
60名(申込・先着順)
主催:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ / 株式会社コンセント
<講師プロフィール>
株式会社コンセント
Service Design Team
大崎 優
サービスデザイナー/アートディレクター
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。
グラフィックデザイナーとしてキャリアをスタート、
近年はサービスデザイナーとして、新規事業開発支援、国内外メーカーの新製品・新サービスのデザイン、
スマートフォンや車載器のUX・UIデザイン、企業の開発フロー構築支援などを行う。
Service Design Team マネージャー。
赤羽太郎
サービスデザイナー/プランナー
国際基督教大学教養学部卒業。PRプランナーとして企業の広報支援を手がけた後、
新聞社、化粧品、通信キャリア、システムベンダー、化学、飲料、空調設備、銀行証券、生保損保、芸能事務所、財団法人、国際NGO、銭湯など多岐に渡るサービス・プランニング。
その他企業セミナー、デザインワークショップ企画運営などにも関わる。
岡本亮
サービスデザイナー/アートディレクター
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。「Tarzan」など雑誌媒体のエディトリアルデザイナーを経て、
「ヘルスケア」「自動車」「トラベル」など多分野の新サービス開発に関わる。
【Archive】
前提として、小売業や飲食業などの「サービス」だけでなく、製造業も含んだあらゆる事業活動を「サービス」と捉えたい。
◯サービスデザインとは何か。
・既存の事業体視点ではなく、顧客視点で事業全体を再構築すること
・顧客とサービスが関わる接点全体をデザインの対象と捉え、その最適化を図るアプローチのこと
◯サービスデザインの目的
・顧客の体験価値をめざし、結果的にコストを下げたりといった利益を生み出す
ユーザーがそのサービスを知る段階から使う段階までを想定し、提供する。
・差別化要素(特定のサービスの特徴となるもの)
・付加価値要素(一定水準を超えて提供されるもの)
・基本価値要素(サービスがサービスとして当然と考えられているもの)
差別化に捉われずに価値を整理しサービスがどう作用するかを考え、コアな体験価値を残して他の体験価値をそぎ落としていくことが重要である。
◯サービスデザインをどのように実現していけば良いのか
サービスデザイン思考の5原則というのが存在する。
a. ユーザ中心(サービスはユーザの目を通して体験されるものである)
b. 共創(すべてのステークホルダーがプロセスに関わる)
c. インタラクションの連続性(サービスは相互に関係する活動の連続として設計する)
d. 物的証拠(無形なサービスを物理的な人工物によって可視化する)
e. 全体的な視点(サービスの環境全体をよく考察する)
◯なぜ、デザイナーが必要なのか
・サービスデザインを可視化、具体化し、そのプロセスにおいてステークホルダーの視点を統一し、検討をスピーディに進めることができるから
・顧客視点から、微細な顧客感情を捉えた最適なサービスデザインを構築することができるから
サービスデザインにおけるデザイナーの存在は、実は、重要な位置を占めているのである。
しかしながら、サービスデザインにおいてデザイナーに変化が必要なことも事実である。
・顧客だけでなく経営者の視点からデザインすることができる
・「人のため」でなく「人と一緒」に作ることができる
クリエイターには、どうしても作った作品は自分の所有物であるという意識があるものだが、そこから一歩引いて、作って育てていく考え方を身につけることが、サービスデザインでは求められるのである。
◯サービスデザインのプロセス
1. 提供サービス、事業戦略の限定
2. 顧客体験のプラン二ング
3. 個別タッチポイントのデザイン
サービスデザインプロセスを簡単にまとめると以下の通りである。
■ 調査 → 価値抽出 → 情報整理 → 価値をどう満たすかの検討 → サービスを作る → サービスの精度を向上させる