これからの時代の

大学と社会の共創を

考える

武蔵野美術大学1/M(イチエム)は、多様で多彩な本学の取り組みや教育・研究成果を伝え、
社会とのつながりや共創の可能性を育む場を目指しています。

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EVENT

【event】水はデザインできるか?

次世代に引き継ぐための水環境をデザインの視点から考える

日本水大賞委員会が主催する「日本水大賞」「ストックホルム青少年水大賞」のポスターデザイン コンペティションを、東京の美術大学を参加対象として行います。地球の「水」と環境について考え、ポスターデザインを通じて社会に発信してみませんか?
募集に先立ち、「水」と「環境」の「今」を知ってもらうため、下記のイベントを開催します。 美術大学に通う学生のご参加をお待ちしています。

日 時:
2015年5月7日(木)18:30~

当日次第:
18:30〜
開会挨拶 長澤忠徳(武蔵野美術大学学長)
トークイベント 進士五十八(元東京農業大学学長/日本水大賞委員会委員)

19:00〜
赤星たみこ(漫画家/日本水大賞委員会委員)
毛利衛(宇宙飛行士/日本水大賞委員会委員長/日本科学未来館館長)から学生へメッセージ

19:45〜
日本河川協会事務局よりコンペティションガイダンス

参加定員:
美術系大学生100名(当日受付)
※受付にて、学校・学科名を確認いたします。

会 場:
インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター
(東京都港区赤坂9丁目7番1号ミッドタウン・タワー5階 東京ミッドタウン・デザインハブ内)

お問い合わせ:
武蔵野美術大学 研究支援センター (tel:042-342-7945 fax:042-342-7942)
公益社団法人 日本河川協会(tel:03-3238-9771 fax:03-3288-2426)

【Archive】
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◯水の文化を伝えるために [ 進士 五十八(元東京農業大学学長/ 日本水大賞委員会委員) ]
まず大前提として、「水」の問題は、幅が広すぎるため、どこに焦点を当てるかで、取り扱う問題の趣旨は変わる。

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■水系と水景
・4P1D(Philosophy、Policy、Plan、Program、Design)
・Amenity(Physical、Visual、Ecological、Social、Mental)
「人」と「水」と「くらし」の間には、4P1DとAmenityという歯車がうまく噛み合った構造を作り上げなければならない。
人類は古来より「水」の存在によって生活スタイルや庭園、街の景観などを造り、文明を築き上げてきた。古代エジプトや日本、中国、ブラジルなど、国の文化や宗教、政治などのバックグラウンドによってその造り上げられる景観やとらえ方は様々である。その観点から言えば、「水」は人工的に動かしたり置いたりすることで、「くらし」を豊かに、あるいは便利にできるので、「デザインできる」といえるだろう。
19:20~

 

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◯漫画家が環境に目覚める [ 赤星 たみこ(漫画家 / 日本水大賞委員会委員) ]
エコロジストとして目覚めたきっかけは、漫画家の仕事が多忙だったためである。ごみを捨てる時間さえ面倒だった事から「いかにごみを出さないか」「ごみを減らそう」と意識し始め、現在では4つのR「Refuse、Reduce、Reuse、Recycle」を実践するようになった。いわゆる「謳い文句」は本当のことを隠している場合が多いのである。

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森には森の、川には川の役割があり、それぞれが無理なく機能することで環境は循環している。環境がよくなれば、綺麗な水が循環できるようになる。この循環を生かしたクリーンエネルギーの利用価値は高いが、その存在やシステムについて熟知している日本人はあまりにも少ないのが現状である。
水によって成り立っている我々の生活だからこそ、小さなことから始めていく意識を持つことが重要なのである。
19:40~

 

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◯水はデザインできるのか ~芸術は人類生存に役に立つか~ [ 毛利 衛(宇宙飛行士/ 日本水大賞委員会委員長/ 日本科学未来館館長) ]
宇宙から見た地球を見て初めて「地球は水によってデザインされている」と認識した。地震、火山噴火、オーロラなど、あらゆる自然現象が起きることができるのは地球のみなのであり、それは水が存在するか否かによるものなのである。逆に言えば、宇宙空間という水よりも巨大な力を加えることで、水をデザインすることは可能であるが、その利用価値がどれほどあるのか未知数である。

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つまり、地球をひとつの生命体と見れば全ての生物は水によってデザインされており、私たちの存在自体もデザインされているのである。
枯渇していく資源や汚染されていく水環境についてこれからの世代を担う若者たちがどのように現状をとらえ行動(デザイン)するかが日本や世界の水環境を保全する上で重要なのである。

 

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