【workshop】装丁デザインのワークショップ
装丁をデザインした『鹿の王』(上橋菜穂子著)が2015年本屋大賞を受賞するなど、業界で大ヒットを連発している装丁家、坂川栄治氏による装丁デザインのワークショップ。アイデアの出し方、現場に即した実践的なノウハウをデザイナーの立場からアドバイスしていただきます。
このワークショップは2日間に渡って行なわれ、1日目は前提講義、2日目には作成した装丁の講評に加え、学生個人のポートフォリオチェックも行います。
日 時:
2015年6月22日(月)18時〜20時 前提講義
2015年6月25日(木)18時〜21時 講評+ポートフォリオチェック
講 師:
坂川栄治氏
参加料:
無料
定 員:
30名
対 象:
武蔵野美術大学学生2〜4年生であること(学科は問わない)
*今回は通学生のみ対象です。
条 件:
・Illustrator, Photoshopの基本的な操作ができること
・自分のポートフォリオを持参できること
・22日(月)、25日(木)の両日参加できること
会 場:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
(東京都港区赤坂9丁目7番1号ミッドタウン・タワー5階 東京ミッドタウン・デザインハブ内)
共 催:
武蔵野美術大学 就職課 × 武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
協 力:
坂川事務所
【Archive】
◯前提講義(6月22日)
参加した学生には、坂川氏が過去に装丁した3冊の本からひとつを選び、装丁のデザインを行うという課題が出された。
課題の説明の際には、編集者との打ち合わせ時に書かれたメモ・完成に至るまでに作成されたラフなどが公開された。
◯講評+ポートフォリオチェック(6月25日)
<Agenda>
・作品の講評
・まとめ
・ポートフォリオチェック
・質疑応答
●作品の講評(一人あたり、2〜3分)
書体、イラスト、絵、コピー、色彩構成、画面構成、パッケージなどのさまざまな視点から、「何を意図してデザインしたのか」を明確にし、また、そのコンセプトのきっかけとなったものは一体どんなものだったのか、思考のプロセスも含めてプレゼンテーションした。
各プレゼンテーションを受け、坂川氏はさまざまな問題点を指摘した。
・本の物理的な問題(オビ、背の凹み、印刷時の微妙なズレ)
・文字における作者と作品タイトルの主張の比率
・作品の内容と、表紙の印象との整合性
・多くの人にとって既知の作品をコラージュする方法論
・グラフィックとタイポグラフィの統一感を維持する、あるいは崩す
・「手書き」の良さを引き立たせるためのテクニック
●まとめ
本として並んでいる状況をイメージし、いかに手に取りやすいかを考える。
作品の内容や雰囲気と、表紙が与える印象とが一致しないと、消費者側には作品が本来持つ内容やメッセージが間違って受け取られてしまう危険性がある。
本の装丁デザインは、その紙一重と常に向き合わなければならないのである。