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武蔵野美術大学1/M(イチエム)は、多様で多彩な本学の取り組みや教育・研究成果を伝え、
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EVENT

【lecture】公開講座「Explore the Design」第6回

公開講座「Explore the Design」は、広大なデザインの世界を探求しそのコアを見出すことをテーマとする講座です。平成24年度に「トップデザインセミナー」として始まった本講座は、デザインに様々な形で関わるフロントランナーの方々からメッセージを発信していただくことにより、デザインが果たす役割を知り、今後の更なる可能性を多くの皆様と共に考え、共有することを目指しています。

今年度は、2016年6月、9月、11月、12月、2月の合計5回実施予定です。

 

講 師:
北川フラム 氏|アートディレクター
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*photo by Junya Ikeda

1946年新潟県高田市(現上越市)生まれ。東京芸術大学卒業。
主なプロデュースとして、現在のガウディブームの下地をつくった「アントニオ・ガウディ展」(1978¬‐1979)、日本全国80校で開催された「子どものための版画展」(1980¬‐1982)、全国194ヶ所38万人を動員し、アパルトヘイトに反対する動きを草の根的に展開した「アパルトヘイト否!国際美術展」(1988-¬1990)等。
地域づくりの実践として、「ファーレ立川アート計画」(1994/日本都市計画学会計画設計賞他受賞)、2000年にスタートした「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(第7回オーライ!ニッポン大賞グランプリ〔内閣総理大臣賞〕他受賞)、「水都大阪」(2009)、「にいがた水と土の芸術祭2009」「瀬戸内国際芸術祭2010、2013」(海洋立国推進功労者表彰受賞)等。
長年の文化活動により、2003年フランス共和国政府より芸術文化勲章シュヴァリエを受勲。2006年度芸術選奨文部科学大臣賞(芸術振興部門)、2007年度国際交流奨励賞・文化芸術交流賞受賞。2010年香川県文化功労賞受賞。 2012年オーストラリア名誉勲章・オフィサー受賞。
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」、「瀬戸内国際芸術祭」の総合ディレクター。

日 時:
平成28年6月17日(金)18:30-20:00 終了後に参加自由の交流会を予定しています。

会 場:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
(東京都港区赤坂9丁目7番1号ミッドタウン・タワー5階 東京ミッドタウン・デザインハブ内)
会場は同フロアのインターナショナル・デザイン・リエゾンセンター、交流会は武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジで行います。

受講料:
1,000円(当日受付にて承ります)
※武蔵野美術大学の学生は無料(当日受付にて学生証をご提示ください)

定 員:
130名(申込先着順) ※定員を30名追加いたしました。(06/09)
主 催:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ

運 営:
武蔵野美術大学 研究支援センター

協 力:
東京ミッドタウン・デザインハブ

 

【Archive】

公開講座「Explore the Design」第6回は、北川フラム氏にお越し頂きました。
大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレと瀬戸内国際芸術祭について、これらの芸術祭がいかに地域に根付き育ってきたのか、人々を引きつける魅力は何であるのかについて、芸術祭のスライド紹介と合わせお話いただきました。

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越後妻有大地の芸術祭はなぜ人を引きつけるのか。

越後妻有という土地には積み重ねてきた歴史の全てが在り現代に繋がっている。時の流れを内包した上で成り立つ生活実感の中でどのように美術が展開されるのかに人々は興味を持っている。美術は、人間がつくるものを通して、人間と自然、人間と文明、人間と社会の関係を表すものである。大地の芸術祭のキャンバスは「地域の特徴」であり、大地の芸術祭におけるアートは、置かれている場所あるいはその作品の後ろに広がる世界、そういった構造を明らかにする仕掛けとして成立している。

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芸術祭には協働のすばらしさがある。効率が重要視される現代において、効率でははかれない人々の暮らしの尊さ、積み上げてきた暮らしは間違っていないという誇り、その暮らしが積み上げられてきた地域の資源、忘れ去られているもの、これらをアーティストは発見し引き出し提示してきた。これをやるためには地域の理解や交流が必要となり、アートを介してコミュニティーや人との繋がりが生まれ、地域がひらかれていく。

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都市が置き換え可能なマニュアル社会・効率化社会を志向しているとすると、美術は正解がない、人と違っていいと言われる唯一のジャンルである。効率化、均質化された都市で生活する者は地方を求め、地方は都市の人を求める中で、大地の芸術祭は、都市と地方の交歓を生んでいる。地域の特徴をキャンバスに生まれるアートは、都市と地域、地域内、海外と地域など様々な交流を生み、新しい美術の潮流として注目を集めている。

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講演会終了後、交流会が行われました。北川氏と参加者の皆様で意見交換が行われ、大変充実した講演会となりました。

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