【event】プラット・インスティテュートの学生による「日本のデザインと文化」ビジュアル・プレゼンテーション
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジにて、プラット・インスティテュートの「6週間イマージョン・コース」受講生による東京/京都における2週間のイマージョン・プログラムの成果発表会を開催します。
このインテリアデザインコースは、“インテリア空間”の定義を再考することを目的とし、 プラット・インスティテュート スクール・オブ・デザインに在籍するすべての学生が受講することができます。
今回の「6週間イマージョン・コース」は、ニューヨーク・東京・京都を移動しながら開催され、コースの最初と最後のパート は、プラット大学のブルックリン・キャンパスで行われます。
本コースは3部構成になっており、第1部は、訪日の前に、全参加者が日本の文化/デザイン/言語についての情報収集(GATHER)を行い、日本の“はかない”文化に関するリサ―チ・テーマを選択します。
第2部の東京/京都滞在では、多様な体験に“どっぷりつかる”(IMMERSE)ことで様々な課題を発見します。
そして第3部では、これらの体験をニューヨークに持ち帰り、周りの世界を鼓舞(INSPIRE)するデザインの提案に取り組みます。
アジア(東洋)で最も革新的といえる大都市を探求し、学ぶことにより、ニューヨーク(西洋)との比較と対比を行います。日本視察では、そのユニークな文化のエッセンス、デザインの感受性、環境意識、そしてモノ創りにおける工芸的な視点/プロセスの違いが、ネイティブな日本人ではない学生たちの目にどのように映るのか、ということに焦点を当てています。
学生たちは、日本視察の間に感じた疑問や様々な発見から、デザインの目標を生み出します。
そして帰国後、ブルックリン・キャンパスで、2週間にわたって課題に対するデザインの提案を制作します。 デザイン・ラウンジでのプレゼンテーションでは、学生たちのリサーチと観察の結果を発表します。
Visual Presentation by Pratt Students on Japanese design aesthetics & culture
Pre-design summary presentation from the 2 week immersion in Tokyo / Kyoto
This Interior Design course re-examines the definition of ‘interior space’. It is available to all School of Design students at Pratt. This 6 week immersion course is held in NYC + Tokyo/Kyoto. In the beginning and end of the course, the classes will be held on Brooklyn Campus. This experience is structured in three parts. First, the participant will GATHER information about Japanese culture/design/language and choose several research topics on this ephemeral culture before the travel. During the stay in Tokyo/Kyoto, they will IMMERSE in series of experiences. And bring those experiences back to NY and work on design proposals that will INSPIRE the world around them.
日 時:2019年6月23日(日)14:30-17:00
会 場:武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
東京都港区赤坂9−7−1 ミッドタウン・タワー5階(デザインハブ内)
主 催: プラット・インスティテュート スクール・オブ・デザイン
企画・実施: プラット・インスティテュート スクール・オブ・デザイン インテリアデザインコース
後 援: 武蔵野美術大学
言 語: 英語/日本語(通訳あり)
参加費:無料(申し込み不要。当日お越しください。)
お問い合わせ:d-lounge@musabi.ac.jp
訪問企業: (株)良品計画 本社、無印良品 銀座、MUJI HOTEL GINZA、隈研吾建築都市設計事務所、GKデザイングループ、 (株)内田洋行、(株)イッセイ ミヤケ 工房 京都店、21_21 Design Sight、Commune 246、(株)三越伊勢丹 伊勢丹新宿本店、青山ファーマーズマーケット、(株)フジテレビジョン 本社、 アマゾン・ジャパン合同会社 本社、伊東建築塾
主宰教授:尾原 徹
アシスタント:伊藤 友紀
コースコーディネイト サポート:USPジャパン
Time&Date : 06.23.19 Sunday 14:30-17:00
Venue : Musashino Art University Design Lounge
5F Midtown Tower 9-7-1 Akasaka Minato-ku, Tokyo
Host : Pratt Institute: School of Design
Organization : Pratt Institute: School of Design Interior Design Course
Sponsor : Musashino Art University
Language : English / Japanese (consecutive translation)
Admission : Free
Inquiry:d-lounge@musabi.ac.jp
Office Visits : Ryohin Keikaku Co., Ltd. / Muji Ginza/ Muji Hotel Ginza Kengo Kuma and Associates GK Design Group Uchida Yoko LTD. Issey Miyake Kyoto/ 21_21 Design Sight Commune 246 Isetan Mitsukoshi Shinjuku Store Farmer’s Market at UNU Fuji Television Network, Inc. Amazon Japan Headquarter Toyo Ito Juku
About Pratt Institute
Principal Faculty: Tetsu Ohara
Assistant to Faculty: Yuki Ito
Course coordination support by: USP Japan
【archive】
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジでは、プラット・インスティテュートの学生による2週間のイマージョン・プログラム『第1回 体験する学問 考現学 東京/京都』の成果発表会を開催しました。プラット・インスティテュート 尾原 徹教授と11名の受講学生、アシスタントの伊藤 友紀氏から開会の挨拶があり、代表者7名によるプレゼンテーションが行われました。
Pre-design summary presentation from the 2 weeks immersion in Tokyo/Kyoto took place in the Musashino Art University (MAU) Design Lounge.
Lead by opening remarks from Professor Tetsu Ohara (Pratt) & an introduction of Assistant Yuki Ito (MAU), 7 of the 11 were chosen to deliver their presentations.
このプログラムでは、来日した学生たちが、2週間にわたり日本文化への”イマース”(どっぷりと浸かる)を体験し、様々な日本企業や展示施設を訪れ、人間と自然の関係性、環境への意識、歴史や信仰について学ぶことで、日本固有の文化への理解を深めていきました。そして、伝統工芸の工房や最先端のデザイナー達のアトリエなど、ものづくりの現場を訪問し、現代まで受け継がれてきた日本的な感性によるデザインの視点とプロセスを間近に体感しました。
Special Japan Study Course’s 2nd part of the course was called “IMMERSE”. During this event, students had an opportunity to see behind the scenes of the creation process, attended presentations by Japanese design studios/corporation, and learned design methods/techniques and also the concepts of historical and traditional architecture and landscapes.
The emphasis of this excursion focused on the unique Japanese cultural essence, design sensibility, environmental awareness and the crafts/process of making things that are different from the non-native point of view.
プレゼンテーションでは、こうした多様な観察の中で、ネイティブな日本人ではない学生たちが、彼ら自身の感性で何を感じ、どのようにデザインのエッセンスを抽出したかということを中心に、日本文化への洞察とアイデア、そして帰国後にブルックリンキャンパスで取り組む最終制作の展望について発表しました。
During the presentation, students shared their design strategies of how their original ideas can manifest/evolve into design proposals that can also contribute to society when they go back and finish the course in Brooklyn.
『服・身体・空間の三態変化』Zikun Zhu, ファッションデザイン専攻
ラッシュアワーの電車内や都市の交差点、禅の空間など、日本の日常的な空間体験から着想を得て、その密度や人々の状態を、液体・個体・気体の3つの分子に分類し、空間の態を定義した。素材の選定とフォームの考察から、空間体験によって生まれた「服の三態」を導き出し、最終制作のファッションデザインへと繋げていく。
『日本の色彩と自然への感性』Roma Menon, コミュニケーションデザイン専攻 大学院
日本で学んだ素手時然の概念や、古着に天然染料を施すことで再生させ、ソーシャルデザインまで拡大させた事例などを発表した。「自然」とは、素材の本質や由来に耳を傾け、そのあるべき場所を新たに見つけることであり、「色彩」とは単なる色ではなく、扱う人の意識によって様々に変化することを体感し、これらの発見を、グラフィックデザインやカラーパレット開発へと発展させていきたい。
『自然とテクノロジーの融合による生活空間のデザイン』Xiangge Liu (Frank) インテリアデザイン専攻
働く若者の多忙な生活や高齢者の孤独死、自殺率の高さなど日本の社会問題に着目した。老朽化と、若者離れ・高齢者の孤立が深刻な課題となっている限界団地の改修計画や、電車の踏切などに、最新のデジタルテクノロジーによってデザインした美しい自然の映像を投影することにより、社会問題を緩和しながら、生活空間を美しく彩ることの可能性を提案した。
『経年変化のデザインによる空き家の適応再利用』Su Ergeneli, インテリアデザイン専攻
日本の空き家問題に着目し、老朽化した空き家に侘び寂びの概念を取り込み、材の経年変化をデザインの一要素として肯定的に活用することで、より体験的で魅力的な空間にし、社会全体が活用できる場に生まれ変わらせるアイデアを提案した。既存の社会問題を解決しながら、地域産業の発展やコミュニティを促進させるソーシャルデザインを考察した。
『空間的境界』Bingxiao Yang.,インテリアデザイン専攻 / 大学院
縁側から着想し、内部と外部の間に存在する緩衝空間を「半透明境界」「準半透明境界」「透明境界」「水晶境界」の4つに分類し、空間の繋がりを再考した。境界を「ぼかす」ことは、空間における時間的な感性に働きかけ、穏やかさや平和さを感じさせる。境界の条件を精査し、建築デザインに取り入れる操作に、内と外が調和した豊かな空間をつくる大きな可能性があると感じている。
『サステナブル・マテリアルの再考』Jared Dalcourt, インダストリアルデザイン専攻 / 大学院
侘び寂びとは未完成が織りなす美であるという発想から、意図的な装飾を施さず、材質の声に耳を傾け、そのものの魅力を打ち出すことが大切であると感じた。帰国後は、この考えを、茶道に特化したオブジェシリーズ、焼杉の意匠と機能を取り入れた家具デザイン、米作りの過程で生じる残留物を再利用するデザインなどに発展させたいと考えている。
『継承された日本思想による新たな空間体験』Tianlan Deng, インテリアデザイン専攻 / 大学院
西洋の絵画と日本の絵巻物の描写技術の視覚的な差異から、それぞれの空間と時間の概念を分析し、日本の「間」の概念が、どのようにして現代美術や空間展示へ継承されているかについて再考した。間の概念を用い、自己を投影することのできるインスタレーションが、鑑賞者を人間的な空間体験へと誘い、現代社会のストレスを払拭させる可能性について、自身の作品を交えながら提案した。
最後に、尾原教授とプラット・インスティテュートの学生たちからの謝辞を受け、武蔵野美術大学 長澤忠徳学長が全体講評と感想を述べました。
At the end of the event, as requested by Pratt Institutes faculty and students, Musashino Art University President Tadanori Nagasawa gave a closing remark.
限られた時間の中で奮闘したプラット・インスティテュートの学生たちの健闘を讃えた長澤学長
長澤学長:今回のミッションが、過去数十年間にわたるプラット・インスティテュートと武蔵野美術大学の交流において、初めてといっていいほど強力なインパクトを与えながら登場してくれたことを、大変嬉しく思います。私たちの間に素晴らしい関係を築く機会をくれた尾原教授と11名の学生たちに感謝します。もはや日本人にとって当たり前になってしまったことを、海外からのエキゾチックな視点で捉え、伝えてくれたことで、あらためてもう一度見つめ直してみようと感じる体験を与えてくれたことに、とても感動しました。
President Nagasawa
“I feel very happy to notice that throughout decades of exchanges with Pratt Institute, this course’s mission proves to be the most meaningful and impactful towards our relationship. I like to thank Professor Ohara and the 11 students who make this event happen. I am also thankful that these presentations, delivered by non-native/exotic point of views, gave me an opportunity to re-appreciate our every day Japanese design and aesthetics.”
尾原教授:長澤学長のお言葉と武蔵野美術大学の皆さまからの沢山のサポート、お世話になった訪問企業の皆様にとても感謝しています。このコラボレーションを本当に素晴らしいものだと感じています。
今日、プラット・インスティテュートと武蔵野美術大学の国際的な協力関係について「新しい歴史の扉を開いた」という言葉をいただき、大変嬉しく思います。来年以降も、継続的な協力関係を構築し、より意義のある強固なものにしていきたいと感じています。
Professor Ohara:
“I do agree with the President that this collaboration has been wonderful and would like this to continue developing further into the future. This 2019 Summer experience in Japan would not have been possible without the support of Musashino Art University’s leadership plus recommendations, and by various studios/corporation executives and staff.“
“It also touched me very much when President Nagasawa said ‘This course opened a new door in the history!’.”
発表会終了後の懇親会では、プレゼンテーションを聞きに訪れた武蔵美の学生たちや卒業生の方々、日本滞在中に訪問した企業の方々が交流し、互いに感想を述べあって親睦を深めました。
After the presentation, students from both MAU and Pratt along with various corporate event coordinators have exchanged lively reactions and feedbacks.
2週間の日本プログラムの感想を発表し、お互いの努力を讃えあう学生たち