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武蔵野美術大学1/M(イチエム)は、多様で多彩な本学の取り組みや教育・研究成果を伝え、
社会とのつながりや共創の可能性を育む場を目指しています。

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EVENT

【event】トークイベント「デザイナー平野甲賀とフォトグラファー平野太呂 -ふたりのはなしを聞こう-」

グラフィックデザイナー・平野甲賀氏と写真家・平野太呂氏による初の親子対談。
通ってきた時代、デザイナーと写真家という仕事のフィールドは違えども、
おふたりにはどこかに共通点がかいま見えます。
平野甲賀さんには装丁家としての長い実績のお話を、
平野太呂さんには写真家としてのルーツとなるお話を、
そしてお互いの仕事についての考え方を伺います。

登壇者:
平野 甲賀(グラフィックデザイナー・装丁家/1961年武蔵野美術学校卒)
     平野太呂(写真家/1997年武蔵野美術大学卒)

日時:
11月4日(月・振休)14:00-16:00(開場:13:30)

場所:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ

参加料:
500円(当日受付/武蔵野美術大学生は無料)

定員:
50名(デザイン・ラウンジサイトにて事前申込)

運営協力:
武蔵野美術大学 美術館・図書館

*カタログ販売あり
*学生の方は、受付で学生証を提示して頂くのでご持参ください。

*2013年10月21日(月)−12月21日(土)まで、
武蔵野美術大学美術館・図書館にて「平野甲賀の仕事1964-2013」展を開催中!

 

■プロフィール

平野太呂 ひらのたろ
写真家


1973年東京生まれ
1992年和光高校卒業
1997年武蔵野美術大学造形学部映像学科卒業
1997年より3年間、講談社写真部のアシスタントを経て
2000年よりフリーランス

スケートボード専門誌『SB』起ちあげに関わり、フォトエディターを勤める。
広告、CDジャケット、ファッション誌、カルチャー誌で活躍中。
プライベートや取材などで広がった国内外の交友関係を生かし、
アート活動をしている人達の発表の場になればと
2004年渋谷区上原にギャラリー『NO.12 GALLERY』を起ちあげる。
現在「POPEYE」(マガジンハウス)にて〈ボクと先輩〉連載中

出版
2005年写真集『POOL』(リトルモア)
2006年写真集『GOING OVER』(Nieves)
2007年CDフォトブック『ばらばら』星野源と共著(リトルモア)
2011年『写真集―誰かに贈りたくなる108冊』森岡督行と共著(コロナ・ブックス)
2012年『東京の仕事場』(マガジンハウス)

国内外にて展示活動多数

 

平野 甲賀 ひらのこうが
グラフィックデザイナー/装丁家


1938年生まれ
1960年武蔵野美術学校在学中に「日宣美」展で特賞受賞。
その後、高島屋の宣伝部を経てフリーランスとなる。
劇団黒色テント、水牛楽団などで独自のデザインを実践、多数のポスター、舞台美術を手がける。
1964年以降、晶文社のほぼ全ての本の装幀に携わる。
現在まで手がけた装丁は約7000に及ぶ。
2005年シアターイワト設立
2013年10月21−12月21日まで武蔵野美術大学 美術館「平野甲賀の仕事1964-2013」展開催中

著書
「平野甲賀 装丁の本」リブロポート刊(絶版)
「平野甲賀《装丁》術 好きな本のかたち」晶文社刊
「文字の力」晶文社刊
「もじを描く」編集グループSURE
「僕の描き文字」みすず書房刊
フォントCD「コウガグロテスク」

【Archive】

グッドなデザイン・ラウンジ、最後のイベントはトークイベント「デザイナー平野甲賀とフォトグラファー平野太呂 -ふたりのはなしを聞こう-」でした。
平野甲賀さんと平野太呂さんの親子対談は実は今回が初めてのこと。これは現在、武蔵野美術大学で開催されている「平野甲賀の仕事1964-2013」展の関連イベントでもあります。

武蔵野美術大学 美術館の河野さんから平野甲賀さん、平野太呂さんのおふたりについて、またこのイベント実現に至った経緯をお話しいただき、トークイベントがスタートしました。

最初はおふたりがムサビへ入学するまでのこと、それぞれのお仕事についてをお話しいただき、途中で甲賀さんの話に太呂さんが、また太呂さんの話に甲賀さんが「あのときはこうだった」などと口をはさみながら進行していきました。さすが親子対談というべきか、おだやかで、リラックスされたおふたりの姿はまるで平野家の団らんを見ているかのようでした。

中盤にさしかかると、ふたりそれぞれの話から平野家の、そして親子のお話にうつっていきます。
なかでも、甲賀さんが多忙ながらも毎週欠かさず太呂さんと共に出かけていた釣りの話が印象的でした。
中学生になるころまでずっと続けていたという親子での釣り、太呂さんが「釣りに一緒に出かけていなかれば、ここまで仲間意識を感じることもなかったと思う」とおっしゃるように、父親と息子ふたりが好きなものを共有する体験が、現在のこの雰囲気を作り出しているのかなと感じました。

また甲賀さんの仕事場が家であったことから、家には常にたくさんの知らない大人が出入りしていたというお話。
子供のころから、父・甲賀さんの仕事が自分の日常の中にあり、見えるというのはとても面白い環境だったと太呂さんは振り返ります。
甲賀さんにとっても、そういった仕事環境が自分の仕事にとって必要であり、後にたくさんの大人がなにかをする場としてのシアターイワトの設立にもつながったと話されていました。

後半ではまたお二人の仕事のお話に。
太呂さんがこの夏に広島で行った展覧会のお話からは、太呂さんの今後のお仕事、活動に対して今考えていることが垣間見られたように思います。また甲賀さんも現在ムサビで開催している展覧会に際して、この夏にここデザイン・ラウンジでムサビの学生を交えてWSを行ったことの意図や、自らの仕事を振り返る今回の展覧会への思いをお話いただきました。
分野や形ははっきりと違うけれど、何をよしとするのか、何に興味を持つのか、そういった方向性はつながっている、似通ってきているとお互いの話を聞いて、太呂さんはそうおっしゃっていました。

最後の参加者への質疑応答では、逆に甲賀さんから質問者をご指名される場面もあり、終始本当にアットホームな空気感で、トークイベントが終わりました。

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