これからの時代の

大学と社会の共創を

考える

武蔵野美術大学1/M(イチエム)は、多様で多彩な本学の取り組みや教育・研究成果を伝え、
社会とのつながりや共創の可能性を育む場を目指しています。

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EVENT

【lecture】公開講座「トップデザインセミナー」第4回

公開講座「トップデザインセミナー」は、平成24年4月に開設した武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジにて行われる、「これからの日本のデザイン」を共通テーマとした講座です。

昨年度は、デザイン分野および新しい事業を推進するリーダーをお呼びして全5回開催されました。参加した方々からの貴重なご質問やご意見もいただきつつ、あらためてデザインの未来をみつめる場として有意義な時間が形成されました。

3年目となる平成26年度は「これからの地域のデザイン」「これからの日本のデザイン教育」をサブテーマに地域デザインのトップ、教育分野に広く関わる方を登壇者としてお招きする予定です。

 

■平成26年度全体テーマ「これからの日本のデザイン」

デザインを軸にしている企業のリーダー及び地域形成のトップリーダーに、世界そしてアジアの中の日本として、
技術優国の日本として、感性秀国の日本としての「これからの日本のデザイン」をテーマにお話しいただきます。

講師:
森 雅志 氏|富山市長

昭和27年8月13日富山県生まれ。中央大学法学部卒。
昭和52年11月に司法書士・行政書士事務所を開設し、司法書士・行政書士としてのキャリアを重ねる。平成 7年 4月富山県議会議員に初当選し、平成11年 4月富山県議会議員に再選。
平成14年 1月、旧富山市長初当選、平成17年 4月には新しくなった富山市長にも初当選。その後平成21年 4月、平成25年 4月にも富山市長に再選され、現富山市長として3期目を務める。若く改革・実行力のある市長として有名で、芸術分野の政策にも力を入れている。好きな言葉は「知行合一」。

日時:
平成26年11月28日(金)18:30-20:00
※終了後に参加自由の交流会を予定しています。

会場:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
(東京都港区赤坂9丁目7番1号ミッドタウン・タワー5階 東京ミッドタウン・デザインハブ内)
会場は同フロアのインターナショナル・デザイン・リエゾンセンター、交流会は武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジで行います。

受講料:
1,000円(当日受付にて承ります)
※武蔵野美術大学の学生は、当日学生証を提示すると無料になります。

定員:
100名(申込先着順)

申込方法:
E-mailにてお申し込みください。
「氏名(フリガナ)・電話番号・E-mailアドレス・本学学生は所属学科名・学年」を記入して下記アドレスまでお申し込みください。
*必ず件名に「第4回公開講座 受講希望」と明記ください。

申込先アドレス(武蔵野美術大学 企画部研究支援センター):
E-mail  kenkyu@musabi.ac.jp

主催:
武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ

運営:
武蔵野美術大学企画部研究支援センター

協力:
東京ミッドタウン・デザインハブ

後援:
港区

【Archive】
Agenda
・富山市の街づくりへの取り組み
・実務報告
Town Planning(Spacial Planning)を中心に、論を展開する。

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【富山市の問題点】
・人口減少
人口減少が及ぼす影響が、負のスパイラルを生む。
「人口減少→経済力低下→税収低下→コスト低下→人口減少…」

・拡散型都市
戦後、拡散型都市開発を行い、クルマ社会の流れに乗った。
しかし現代において、病院や主要施設を郊外に設置したため、広く浅い都市になってしまった。

・健康寿命
公共交通の整備が弱い。
ゆえに、外出の機会を少なくし、健康寿命を低下させる原因を作ってしまっている。

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人を集めるためにすべきことは何か。

公共交通を強化することにより、公共交通沿線に住民の関心を集めることができる(誘導する)。それに伴い、中心市街地をより魅力的なものにする。これには大きな困難を伴うが、現在の住民を説得し、将来の住民のために持続性の高い都市構造の実現には避けて通れない問題である。
魅力的な中心市街地があれば、公共交通を活性化させ地方にも線路をのばすことにより、田舎の沿線に住む高齢者にも外出の機会を増やすことになる。

一見、ネット社会の現代に逆行し遠回りをしている取り組みに思えるが、結果的に、健康寿命を延ばす、偏りを補正する程度の凝集型都市にする、人口を増加させるといった課題を解決し、経済的に発展することができている。

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森 氏が着目するのは「都市全体をいかに魅力的に見せるか」というトータルデザインの力である。

昔から、富山県は薬業が活発であったため、そのパッケージに対する技術力は高かった。そのおかげで、印刷業、デザイン業が成長していったという背景がある。
これを、行政に生かすことによって、デザインが人と人との架け橋になるのではないか。その可能性を信じ、
取り組んだ結果は、近年の居住者数という数字で成果を上げている。

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【まとめ】
「スペーシャル・プランニングが鍵になる」

単純に平面的なものではなく、人々の暮らしを含めたスペース全体の質を高め、上質な暮らしを作っていくことが富山市の明るい将来には、重要なプロセスなのである。
今後も「楽しい、恋しい、お洒落」をクリアできる「デザインの力」を意識してよりよい街づくりをしていきたい、と熱く語った。

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